所長ごあいさつ 「小樽診療所40年のあゆみ」


 勤医協小樽診療所は、2011年7月19日に開院四〇周年を迎えました。 地域の皆様、患者さん、社員・友の会員、そして、地元の医療機関の方々の、支援と協力に心より感謝とお礼を申し上げます。

 1971年に誕生した当診療所は、働く人びとのたたかいの歴史が刻まれた小樽にふさわしく、地元の人たちが社員の拡大と建設基金に取り組んでいた建設準備会の活動の成果で実現したものでした。

 当時、北海道勤医協が策定した第一次五カ年計画は、北海道勤医協以外の全道に民医連院所を展開する方針と、新センター病院(現中央病院)の建設、三つの診療所の新設をうたっており、当別、柏ヶ丘と並び小樽診療所の建設にもゴーサインがでました。

 1970年代前半は、東京、京都、大阪などで革新自治体が続々と誕生し、医療の分野でも老人医療費の無料化、乳幼児医療費の無料化などが実現し、社会保障が充実しつつあった時代といえます。 それもつかの間で、高度経済成長が破綻した70年代後半は、自民党による巻き返し攻撃が強まり、国民の反対闘争にもかかわらず、1983年までに、健保本人の二割負担、さらには老人医療費が有料化され、戦後三十数年をかけて国民が闘いとってきた社会保障は、その根底からくつがえされつつありました。 その後の、社会保障への攻撃は医療にとどまらず、年金、介護、障害者、生活保護など全面的となり、いまや日本の社会保障制度は全般的危機に瀕しております。

 診療所創立10周年記念誌「潮鳴り」(副題:闘う労働者とともに)によれば、開設間もない小さな診療所が、地元の日本配合飼料小樽工場閉鎖反対闘争や協会病院スト支援などとともに、労働者の健康を守る一環として、職員が小樽第二病院の看護婦と一緒になって血圧測定に出かける活動は、まさに地域医療の原点ともいえるものでした。

 診療所開設時、小樽の人口は19万余り、高齢化率7.5%でしたが、現在は人口13万1千人、高齢化率31.6%となり、高齢者は四〇年間で一万四千人から四万一千人に急増しています。 当診療所も、2000年の介護保険制度の開始前より、老人デイケア、訪問看護ST、高齢者お食事会、などに取り組みました。

 現在地に新築移転してからは、医療分野と介護分野が一体となって連携しあい、2005年には船浜に「ひだまり」も加わりました。(介護事業はのちに事業移管)

 私達はこの40周年を迎えるに当たり、小樽診療所の医療活動や運動の歴史を学び、今、ここにいる意義を再確認しようというテーマでとりくみ、若い職員も参加して多くの先輩たちからお話を聞きに出かけていきました。先達がここで奮闘した歴史を受け継ぎ、私達は社会保障運動と医療・介護活動の更なる高みを目指してがんばります。今後とも連帯とご協力をお願いいたします。


勤医協小樽診療所 所長 中井秀紀